日本伝統の手芸であるこぎん刺し。
最近ではキットや関連書籍なども多く販売されていて比較的気軽に始めやすい手芸のひとつだと思いますが、様々な情報が増えた結果なのか、初歩の初歩であるこぎん糸の使い方で逆に躓いたり勘違いしたまま覚えてしまっている方も見受けられるようになって来てしまっています。
ですので、今回はそんなこぎん糸の正しい使い方……具体的に言うとこぎん糸はバラすのか、バラさないのかという点についての答えを私なりに分かりやすくまとめてみました。
まさにこぎん糸をバラすのかどうかで困っていた方や、これからこぎん刺しを始めてみたいと考えている方は是非この記事を参考にしてみてください。
基本:こぎん糸はバラさず使う!
まず最初に結論を述べてしまうと、基本的にこぎん糸はバラすことなく使います。
そもそも糸の撚りが綺麗でしっかりしているこぎん糸をわざわざバラして使うだなんて無駄な時間もかかる上にバラした糸は無理に解いたせいで痩せたり痛んだりと全くいいことはありません。素直にそのまま使いましょう。
例外1:25番刺繍糸を代用する場合はバラす
こぎん刺しは比較的人気のある手芸ではありますが、それでも実のところ『こぎん糸』と銘打って販売されている商品はさほど多くなく、多くの刺繍で広く使われている25番刺繍糸のようにとりあえず身近な手芸店に入れば何かしらは置いてある、という状況にはなっていないのが現状です。
また、やはりカラーバリエーションも25番刺繍糸ほど多彩ではないので、こんな色の糸でこぎん刺しをしてみたい!などと考えたときにどうしても刺繍糸が代用品として候補に挙がることがあるでしょう。
この場合、25番刺繍糸はこぎん糸と違ってそのまま使うようには出来ていない糸のため、ここは25番刺繍糸の正しい使い方に倣って一度1本1本バラしてから必要本数を引きそろえて使うことになります。
例外2:甘撚りのこぎん糸(オリムパス)の場合はお好みで
もう一つの例外として、こぎん糸とはいっても比較的撚りの甘い糸の場合は好みや条件によってバラして使うのも確かに選択肢になり得ます。
具体的に言うと有名手芸メーカーのオリムパスのこぎん糸はこぎん糸にしてはやや撚りが甘め、言わば他の一般的なこぎん糸と先ほど例に挙げた25番刺繍糸の中間くらいの感覚の糸であるためか、こちらのメーカーさんのこぎん刺しキットや商品提供に協力している書籍などでは確かに「一度糸をバラしてから必要本数を引きそろえて使う」などの記述があることがあります。
例えば連続模様で楽しむはじめてのこぎん刺しという本ではオリムパスさんのこぎん糸を使った作品も多く収録されているのですが、中には一度糸をバラした上で4本取りにして刺すといった指定のある作品もありますし、こういった指定がある場合は当然その通りに扱って間違いはないでしょう。
まとめ
- こぎん糸は基本的にはバラさず使う
- 25番刺繍糸で代用する場合は糸をバラして使う
- 甘撚りのこぎん糸(例:オリムパス)に関しては条件や好みによってバラすのも可