初心者さんでも簡単に出来る刺繍、クロスステッチ。勿論手軽に出来るだけではなく、クロスを並べて刺して作られた作品には、やはり独特の可愛らしさがあります。
この記事では、そんなクロスステッチのやり方を刺繍糸のほぐし方や刺しはじめから刺し終わりまでの全てを初心者さんにも分かりやすいように解説していきます!
Contents
始める前に……
布端の処理は終わっていますか?
クロスステッチに限らず、刺繍をしている間に布端がほつれて作品に影響しては大変です。まだお試しの段階で明確な何かを作りたい訳では無い方や、あまりほつれる心配の無い布(例:ダイソーの刺繍布など)を使っている方はまだ気にしなくても大丈夫ですが、そうでは無い方は先に布端の処理を行っておきましょう。
刺繍糸の扱い方
刺繍糸は自分の使いやすいように巻き直したり、先に八等分にしたりする方もいらっしゃいますが、基本的にそのままの束の状態をキープしたままでも使えるので、今回はそのやり方で説明します。
まずはこの状態のまま端から引き出して、まずは必要な長さにカットしてしまいます。
一般的には50cm程度がやりやすいと言われていますが、結局は人によって違うのでやっていくうちに自分のやりやすい長さが見つかると思います。
当然、この時の長さが長ければ一回で多くの部分を刺して行ける為に効率は良いのですが、あまりに長いと糸が絡まってしまってかえってストレスになりますので、特に慣れるまでは短めに取っておくのが無難です。
そして、重要なのはここからです。たった今カットした25番刺繍糸は実は、これ自体が細い6本の糸が合わさっている状態なのです。なので、お手持ちの図案などに記載されている「2本取り」「3本取り」などといった表記は、この細い糸を何本取って使用するのかという意味になっています。
ですので、ここから更に、必ず1本ずつ引き抜いてから、指定の本数分の糸を合わせて整え直して使って行きます。3本取りだから一気に3本引き抜いてそのまま使う、なんてことはしてはいけません。絡まりや千切れの原因になりますし、仕上がりも汚くなってしまいます。
クロスステッチのきまりごと
クロスステッチでは、ひとつの作品の中で×(クロス)の糸の向きを揃えて刺すことが原則です。
具体的に言うと、/の線と\の線のどちらが上になるかを揃えます。これが揃わないと汚い仕上がりになってしまいますので、この原則だけは絶対に守ってください。
クロスステッチの刺しはじめ
クロスステッチでは、基本的に玉結びや玉止めは行いません。
ころんとした玉は仕上がりに響いてしまいますし、特にアイーダやジャバクロスといった専用布ですと、そもそも玉結びをしたところで布目の穴を抜けてしまって刺繍にならないのです。
ですので、刺し始めには通常のソーイングなどとはまた違ったやり方が存在します。この玉結びをしない刺し始めには、主に2通りのやり方が存在するので、その両方を紹介していきます。
基本のやり方
まずは、どんな本数取りにでも対応できるやり方からご紹介します。
裏から針を刺して表に糸を出します。この時、裏側に糸を2~3cmほど残して進めていき、裏に渡る糸でこの残した糸を自然に巻き込んで固定してしまえばOKです。
また、この方法でやりにくかったり、くぐるらせる糸が少なくて不安な箇所を刺す場合は長め(6~7cmほど)に糸を残しておき、後述の刺し終わりと同じように後からくぐらせて始末してもOKです。
ループメソッド(偶数本取り時限定のやり方)
ループメソッドは偶数本取りの時のみ通用するやり方ですが、偶数本取りでクロスステッチをする場合はこちらの方が簡単で効率も良いので一緒に紹介しておきます。
まず、必要な本数の半分の糸を取ります。2本取りならば1本、4本取りならば2本といった具合です。
これを半分に折って針に通して、基本のやり方と同じように裏から表に針を刺しますが、今度は裏に残した糸の先が輪っかになっているので、最初の一目を刺すときに針をこの中に通してしまいます。これだけでもう糸は解けてきませんので安心です!
クロスステッチの進め方
横に進む
クロスステッチは、まずは横に進んで行くのが基本です。
図案の流れによってはひとつひとつクロスを完成させて行っても良いのですが、横に連続して目がある場合は一度に同じ方向に進めてしまうと効率が良いです。
具体的には、左下から針を出したら、右上に針を入れます。そしてまた、次の目の左下から右上に針を入れるを繰り返します。そして図案の端まで来たら、今度は右下から針を出して左上に針を入れます。こうやってクロスを完成させながら、最初の目まで戻って来ます。
つまり、先に/だけを刺して、返ってくる時に\で戻って来ます。
次の段がある場合は、また次の段の左下から針を出して、先程と同じように進めて行きます。
縦に進む
細長く縦1列に進んでいく場合は、一度に同じ方向に進むのではなく一つ一つクロスを完成させて進んで行きます。横に連続していないだけで、流れとしては横1列終わって次の段……と同じです。
斜めに進む
図案によっては、縦や横ではなく斜めに目が連続している場合もあるでしょう。
このような場合も、縦に進むのと同じようにクロスを1つずつ完成させて行けばOKですし、上がって行っても下がって行ってもOKです。
ステッチの間が離れているときは……
ステッチの間が離れている場合も、一目ずつ刺して行けば大丈夫です。
ですが、この時注意して欲しいのは、あまりにも目と目の離れている場合は一度刺し終わって新たに始めた方が糸がつれたり、表に透けて見えたりせずに綺麗に仕上がります。一般的には2cm以上糸が渡る場合は一度切った方が良いとされています。
クロスステッチの刺し終わり
クロスステッチの刺し終わりは、裏側の糸に針をくぐらせて始末します。
上の写真は先ほど紹介したループメソッドで挿し始めた場合の裏側ですが、通常のやり方ならば刺し始めの糸が余っている場合もあるので、刺し終わりの糸を切る時にでも一緒に切ってしまいましょう。
ちなみに、これの出来上がりがこの小さな四角です。
まとめ
- 刺繍糸は必ず1本ずつ抜いてから必要分を揃えて使用する
- クロスの糸の向きは一定にするのが決まりごと
- 玉結びや玉止めはしない
- 偶数本取りではループメソッドで刺し始めると簡単
- 2cm以上糸が渡ってしまう時は一度糸を切って新たに刺し始める