このような手芸ブログを作っている人間ですので当然ですが、私は手芸が大好きです。
興味を持ったものにはとりあえず一度手を出してみるので、あれやこれやと少なくはない種類の手芸をこれまでやって来ました。
ですが、正直なところ……私はあまり器用なほうではないのです。
手芸が趣味だと言うと「器用なんだね!」みたいな反応をされることも多いですが全然です。
具体的に言えばニードルフェルトをやれば微妙に可愛くないマスコットが出来上がりますし、ここ数年ハマっている刺し子では真っ直ぐな線すらお世辞にも整っているとは言い難く、フランス刺繍はいつまで経ってもサテンステッチが美しく出来ません。
でも、自信をもって言えるのは「それでも本当に楽しんで手芸をやっています!」ということです。手芸は器用な人しか出来ない趣味じゃないということは、声を大にして伝えたいところです。
そして今回は、そんなあまり器用ではない手芸好きな私が独断で、これまでやってきた中でも特に簡単だと思った手芸の中から手芸感の強いものを厳選して5つ紹介してみたいと思います。
前述のように手芸に興味があるけれど自分の器用さに自信がなくてなかなか手を出せていない方や、単純にどんな手芸が簡単なのかを知りたいという方は、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
クロスステッチ
まず真っ先に紹介したいのはクロスステッチという刺繍です。
刺繍というと繊細かつそれこそ器用な人向けの手芸と思われがちなのですが、このクロスステッチは基本的に予め穴のある布の上を×の形で埋めて行くという一つの技法だけで作品を完成させていくので、実に簡単かつ技量に関係なく完成形が綺麗です。
針と糸を使いますが、クロスステッチに使用するクロスステッチ針は針先が丸くなっている為、どんなに不器用でも針を指に刺すことはありません。元々が刺さらない針なんです。
世界中で愛されており、常に栄えている手芸なので関連書籍やキットなども豊富なところもいいところです。
私自身がそうなのですが、昔のゲームのドット絵なんかが好きな人には特におすすめです。ドット絵をそのまま図案として刺繍を楽しむことも出来るので、手先は不器用だけどゲームは得意!なんて方にはうってつけの手芸だと思います。
また、今回は特に簡単な代表例としてクロスステッチを挙げましたが、クロスステッチの他にもこのように布目を数えて糸を通す区限刺繍と呼ばれる種類の刺繍は実は全体的に簡単なものが多いです。
刺し子
区限刺繍以外の刺繍系であれば、日本伝統の刺し子もおすすめです。
古き良き伝統柄は老若男女問わない万人受けするデザインですし、近年ではもっとカジュアルで可愛い図案も沢山見つかります。
必要な技術としては小学校の家庭科の時間でも習うなみ縫いさえ出来れば問題ないので、本当に誰でも出来ます。なみ縫いって何だっけ……と思った方でもすぐに出来るようになるので安心して下さい。
最近では高齢者の方の脳トレプログラムとしても注目を浴びているようですよ。
つまみ細工
もし刺し子のような和の手芸には興味があるけれど、やっぱり針と糸には苦手意識が……という方がいらっしゃいましたら、つまみ細工は如何でしょうか。
つまみ細工は小さく切ったちりめんなどの布をその名の通りつまむように折って接着剤で止めて行く手芸です。
一見するともの凄く複雑そうに見えるかも知れませんが、基本的には剣つまみと丸つまみという二種類のつまみ方さえ一度覚えてしまえば、あとはそれらのパーツをくっつけていくだけで出来上がります。
毛糸ポンポン
毛糸を使った手芸と言えばほとんどの方が編み物を思い浮かべると思いますが、毛糸ポンポンは毛糸を編みません。
基本的にはポンポンメーカーという道具にぐるぐると毛糸を巻いてからハサミで切って形を整えるだけという簡単さなのですが、基本の丸いぽんぽんは勿論、マスコット作りなども楽しめるのでなかなか発展性のある手芸です。
もちろん流石にいきなりリアルな小鳥とかを作ろうとすると難しいでしょうが、背伸びせずに丸に近い物から始めれば結構簡単に可愛いものが作れます。
例えば丸いぽんぽんを好きな色の毛糸で作ってヘアゴムにするだけでも可愛く立派な1作品になります。
ビーズマスコット作り
最後に紹介しておきたいのが、ビーズマスコット作りです。
ビーズは細かくて扱い難そう……という印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、本やキットを購入して説明図の通りにワイヤー(テグス)に指定されたビーズを通して捩じったりしながら形を作って行くぶんにはビーズの個数さえ数え間違えなければ大失敗はしません。
立体ではなく平面な形の物から始めればより簡単です。
不器用なら道具はケチらない!
ここまで様々な手芸を紹介して来ましたが、何から始めるにしろ自分の器用さに自信の無い方が手芸を始める場合、まず最初に使用する道具や材料だけは絶対にケチらないことをおすすめします。
不器用で出来るか分からないから失敗しても怖くない100均などの安価なものを使う……というのは実は結構な落とし穴です。
何故ならそういった選択をした場合、作れるものも作れなくなってしまう可能性があるからです。
例えば刺繍をする場合、有名メーカーの刺繍糸と100均の刺繍糸では糸の絡みやすささえもも全然違います。しょっちゅう100均の糸を絡ませてしまう方でも、有名メーカー品ならストレスなく制作出来るかも知れません。
それに100均のキットは最低限の説明書しかついていませんが、有名メーカーの手芸キットならもっと丁寧な説明書が必ずついています、親切にちょっとしたコツまで書いてくれていることもあります。
苦手だった作業も道具を変えるとえっ、こんなに簡単だったの!?ってなることもあります。
針に上手く糸を通せなければ糸通しを買えば良いんです。
ですので、何も奮発して高級品を買う必要はありませんが、基本的にはあなたのやりたい手芸に力を入れている有名メーカーが出している手頃な価格の道具や材料を選ぶ、また、多くの先駆者が便利だと言っている関連道具はなるべく購入を検討するというのが私は一番良いと思います。
最後に
今回は私が独断で選んだ不器用でも出来そうな手芸感の強い手芸を5つ例に挙げてみましたが、正直に言って私の好きな手芸ジャンルは少々偏っているのでまだまだ知らない簡単手芸が世の中にはあるでしょうし、あくまで私の感覚なのでこれが絶対というわけではありません。
当然、人には向き不向きもあります。
例えば今回クロスステッチを始めとする区限刺繍には簡単なものが多いという話をしましたが、面白いことに目を見張るようなクオリティのフランス刺繍を制作されるのに「クロスステッチはよく目を数え間違えちゃうから得意じゃなくて~」なんてことを言う方も中には居たりするんです。
ですので、もし既に具体的に○○がやってみたい!という願望があるのなら、不器用だからといって無理して自分でも出来そうな手芸を探すのではなく、少し難しそうに感じても最初から思い切ってやってみて欲しい!……と私は思います。
前述の通り良い道具にさえ頼ればなんとかなることも多いですし、何よりもたとえお世辞にも良いとはいえない出来栄えの物が出来あがったとしても、そもそも自分が楽しめれば趣味として成立するじゃないですか!